オービッド・セラピューティクスとアンジェリーニ・ファーマ、アンジェルマン症候群の治療薬としてのOV101のヨーロッパにおける開発、製造、商品化に関する独占ライセンス契約を締結
- アンジェリーニ・ファーマは、EU、欧州経済地域諸国、およびスイス、トルコ、英国、ロシアにおいて、アンジェルマン症候群への治療効果を期待できるOV101 (ガボキサドール) の開発、製造、商品化の独占的な権利を取得
- オービッド・セラピューティクスは、前払い金の2,000万ドル (約21億4,000万円) に加え、開発、製造、販売のマイルストーンを達成した段階で最大2億1,250万ドル (約227億9,800万円)、さらに商品化に成功した場合に正味売上高に対して2桁のロイヤリティーを受け取ることになる
- アンジェリーニ・ファーマは、新しい関連会社のアンジェリーニ・ファーマ・レア・ディジーズAGを通じて契約を遂行
- オービッドは、本日午前8時15分 (東部夏時間) に電話会議とウェブキャストを開催
ニューヨークおよびローマ発, July 15, 2020 (GLOBE NEWSWIRE) -- 神経系の希少疾患患者の生活向上をもたらす医薬品の開発に取り組むバイオ医薬品製造会社のオービッド・セラピューティクス (Ovid Therapeutics Inc.) (NASDAQ: OVID、以降「オービッド」) と、患者のためのメンタルヘルス、希少疾患、消費者の健康に幅広く取り組んでいるイタリアの家族経営の医薬品製造会社であるアンジェリーニ・ファーマ (Angelini Pharma S.p.A.、以降「アンジェリーニ・ファーマ」) は、アンジェリーニ・ファーマがEU、欧州経済地域諸国、およびスイス、トルコ、英国、ロシアにおいて、アンジェルマン症候群への治療効果を期待できるOV101 (ガボキサドール) の開発、製造、商品化を行う契約の締結を発表した。アンジェリーニ・ファーマは、新しい関連会社のアンジェリーニ・ファーマ・レア・ディジーズAGを通じて契約を遂行する。開発中のOV101は、唯一のデルタ (δ) 選択的GABAA受容体作用物質になると考えられている。現在は、アンジェルマン症候群の重要な第Ⅲ相NEPTUNE臨床試験による評価中で、2020年第4四半期にはトップライン結果の報告を予定している。
契約条件に基づき、オービッドは前払い金の2,000万ドル (約21億4,600万円) を受け取り、初期インディケーション (アンジェルマン症候群) に対して効果のあるOV101の開発、製造、販売マイルストーンを達成した段階で、追加で最大2億1,250万ドル (約227億9,800万円) を受け取ることになる。さらに、OV101の商品化に成功した場合は正味売上高に対して2桁のロイヤリティーを受け取ることになる。オービッドは、米国および全世界におけるOV101の商権を引き続き保持する。
オービッド・セラピューティクスの会長兼最高執行責任者であり、哲学博士、医学修士・学士のジェレミー・レビン (Jeremy Levin) は、次のように述べている。「アンジェリーニ・ファーマとの戦略的な提携関係の締結を非常に嬉しく思います。承認後には、OV101をヨーロッパのアンジェルマンコミュニティにできるだけ速やかに届けることを目指します。アンジェリーニ・ファーマはヨーロッパにおける理想的なパートナーです。彼らは地域に根ざした深い知識と確立されたインフラを保有し、製品販売を成功に導いてきた歴史があります。さらに患者コミュニティの生活の質の向上にも取り組んでいます。OV101をアンジェルマンコミュニティに速やかに届けるのにふさわしいパートナーを見つけることは、私たちのグローバル戦略の中心的な課題でした。このアンジェリーニとの提携により、OV101の潜在的な商業的価値が最大限まで高まり、この重要な地域における戦略目標を達成できると考えています。」
アンジェリーニ・ファーマのCEOであるピエールルイジ・アントネッリ (Pierluigi Antonelli) は次のように述べている。「今日という日は忘れられない日となりました。オービッド・セラピューティクスとの提携により、アンジェリーニ・ファーマの新たな戦略に沿って、希少疾患に対する革新的なヘルスソリューション開発の基礎を固めることができます。新たな事業単位であるアンジェリーニ・ファーマ・レア・ディジーズAG (Angelini Pharma Rare Diseases AG) は、OV101の開発、登録、製造の拠点となり、承認後はOV101のヨーロッパにおける商品化を推進することになります。オービッド・セラピューティクスのこの非常に有望な医薬品は、アンジェルマン症候群の治療に関する第Ⅲ相臨床試験において評価中です。現時点で、この希少な遺伝病の効果的な治療法は存在しません。この疾患は深刻な精神運動障害を引き起こし、幼年期から症状が現れます。この取り組みに参加することは、科学的な観点からも、社会的なインパクトという観点からも、大変光栄です。」
エグゼクティブ・バイス・プレジデントのシーア・パオラ・アンジェリーニ (Thea Paola Angelini) とCEOのセルジオ・マルッロ・ディ・コンドヤンニ (Sergio Marullo di Condojanni) は、次のように述べている。「アンジェリーニ・ホールディング (Angelini Holding) の株主と執行役員として、私たちは医薬品分野に継続的に投資し、今ではこの分野がグループ売上高の半分を占めるようになっています。私たちのグローバルな開発および国際化戦略は、高成長を期待できるビジネス分野に注力することです。特に、私たちは医療だけでなく、消費材部門や機械部門にも目を向け、あらゆる有望な機会を綿密に検討しています。」
ロスチャイルド・アンド・カンパニー (Rothschild & Co) は、今回の提携契約においてオービッドのアドバイザーを務めた。
アンジェルマン症候群について
アンジェルマン症候群は、希少な遺伝子疾患であり、さまざまな兆候や症状を示す。この症候群の特徴としては、発育の遅れ、知的障害、深刻な発語障害、動きやバランスの問題、てんかん発作、睡眠障害、不安神経症などがある。アンジェルマン症候群の最も一般的な原因は、ユビキチンタンパク質リガーゼE3A (UBE3A) の遺伝暗号を指定する遺伝子の機能不全である。この遺伝子は神経細胞伝達で重要な役割を果たしているため、機能不全に陥ると持続性抑制が損なわれる。通常、アンジェルマン症候群の患者は標準的な寿命だが、自立した生活を送ることには困難を伴う。そのため、専門医と介護士のネットワークによるサポートを常に必要とする。アンジェルマン症候群は、全世界で約12,000人~20,000人に1人の割合で発生する。
現在、米国食品医薬品局 (FDA)、欧州医薬品庁、その他の地域でアンジェルマン症候群に対して承認された治療法は存在しない。治療は主に行動的介入と症状の薬理学的管理で構成される。
アンジェルマン症候群は、デルタ (δ) 選択的GABAA受容体の機能である持続性抑制の低下と関連付けられる。この受容体は、脳が過負荷にならずに刺激と抑制の神経学的信号を正しく解釈できるようにする働きがある。持続性抑制が低下すると、脳が信号であふれ返り、無関係のノイズと重要な情報を区別できなくなる。
OV101 (ガボキサドール) について
開発中のOV101は、唯一のデルタ (δ) 選択的GABAA受容体作用物質になると考えられており、持続性抑制の混乱 (特定の神経発達不全の根本的な原因と考えられている脳の中枢的な生理学的プロセス) を標的とした初の試験対象薬剤である。OV101は、実験室での研究や動物モデルにおいて、GABAA受容体のδサブユニットを選択的に活性化することが確認されている。この動作はシナプス領域外空隙 (シナプスの外) で発見されているため、持続性抑制の変調を通じてニューロン活動に影響を与えると考えられる。
オービッドは、アンジェルマン症候群と脆弱性X症候群における持続性抑制を修復し、複数の主症状の改善を期待できる治療薬としてOV101を開発している。この2つの症候群では、持続性抑制の混乱などの基本的な病態生理が、GABAA受容体のδサブユニットを通じて変調する。臨床前試験では、OV101によってアンジェルマン症候群と脆弱性X症候群の症状改善が確認されている。この化合物は、これまでに4,000人以上の患者 (年1,000人以上の患者) でも試験を実施しており、安全性と生物学的な利用可能性について良好な結果を示している。オービッドは、アンジェルマン症候群に対するOV101の重要な第Ⅲ相臨床試験 (NEPTUNE) を進めており、脆弱性X症候群に対するOV101の第II相シグナル検出臨床試験 (ROCKET) を完了している。
OV101は、アンジェルマン症候群の治療薬として、FDAから小児希少疾患指定を受けている。FDAは、アンジェルマン症候群と脆弱性X症候群の治療薬として、OV101にオーファンドラッグ指定とファストトラック指定も与えている。さらに、欧州委員会 (EC) は、アンジェルマン症候群の治療薬として、OV101にオーファンドラッグ指定を与えている。米国特許商標庁は、OV101を使用したアンジェルマン症候群と脆弱性X症候群の治療方法に対して、オービッドの特許を認めている。この特許は規制による延長なしで2035年に期限切れとなる。
オービッドの電話会議とウェブキャスト情報
オービッド・セラピューティクスは、本日午前8時15分 (東部標準時) にライブ電話会議とウェブキャストを開催する。ライブウェブキャストには、同社ウェブサイトの投資家セクション () からアクセスできる。または、866-830-1640 (米国内の場合) もしくは210-874-7820 (米国外の場合) に電話することで、ライブ電話会議を聴くこともできる。ライブ電話会議の会議ID番号は5579257である。ウェブキャストのリプレイは、ライブ電話会議後に同社のウェブサイトで視聴できる。
オービッド・セラピューティクスについて
オービッド・セラピューティクス (Ovid Therapeutics Inc.) は、ニューヨークを拠点とするバイオ医薬品製造会社であり、自社のBoldMedicine®アプローチを使用して、希少な神経障害患者の生活向上をもたらす医薬品を開発している。オービッドは、将来有望な画期的医薬品に関する広範なパイプラインを保持している。同社の最新の研究医薬品であるOV101 (ガボキサドール) は、アンジェルマン症候群と脆弱性X症候群を治療するための臨床開発に入っている。さらに、オービッドは武田薬品工業 (Takeda Pharmaceutical Company Limited) と提携し、希少な発達性およびてんかん性脳症 (DEE) の有望な治療薬としてOV935 (ソティクレスタット) の開発も進めている。オービッドについて詳しくは、を閲覧されたい。
アンジェリーニ・ファーマについて
アンジェリーニ・ファーマ (Angelini Pharma) は、アンジェリーニ・ホールディング (Angelini Holding) が保有する医薬品製造会社であり、痛みを含むメンタルヘルス、希少疾患、消費者の健康に幅広く取り組んでいる。アンジェリーニ・ファーマは、広く知られているR&Dプログラムと「世界有数」の製造工場を運営し、有効成分と市場をリードする医薬品の国際的な商用化活動に取り組んでいる。詳しくは、を閲覧されたい。
アンジェリーニ・ホールディングについて
アンジェリーニ・ホールディング (Angelini Holding) は、医薬品および消費財部門で事業を展開している国際グループの親会社である。1919年にイタリアで創立されたアンジェリーニグループは、現在17か国で事業を運営し、従業員数は5,600人、売上高は17億ユーロ (約2,067億円) に達している。アンジェリーニグループは、医薬品部門の他にも、P&G (Procter & Gamble) との合弁事業であるファーター (Fater) を通じてパーソナルおよびホームケア事業を展開している。機械分野でも、P&Gとの合弁事業であるファメカニカ (Fameccanica) を通じて、消費財業界のオートメーションとロボット製造を手がけている。香水、スキンケア、サンケア分野ではアンジェリーニ・ビューティー (Angelini Beauty)、ワイン分野はベルターニ・ドメインズ (Bertani Domains) を擁する。最近では、ヒーロー・グループ (Hero Group) との合弁事業であるマンドレナチュラ (MadreNatura) を通じてベビーフード市場にも参入し、100%オーガニックなベビーフード製品を販売している。
オービッド・セラピューティクスの将来の見通しに関する記述
このプレスリリースには、「将来の見通しに関する記述」を含む開示情報が含まれる。たとえば、OV101の開発と商用化の見通し、OV101で想定されるメリットと価値、OV101の臨床データの報告スケジュールの見通し、提携によるメリットと成果の見通しなどの記述が該当するが、これらに限定されない。将来の見通しに関する記述は、「予定である」、「思われる」、「考えられる」、「期待できる」といった単語が含まれているため、明確に特定できる。将来の見通しに関する記述は、オービッドの現在の予測と前提に基づいている。将来の見通しに関する記述は将来についての記述であるため、必然的に不確実性や、将来の見通しに関する記述で想定した内容とは実質的に異なるリスクや状況の変化を内包している。このため、歴史的な事実を表明するものではなく、将来の実績を保証または確約するものではない。実績が将来の見通しに関する記述に含まれる内容と大きく異なる重要な要因としては、開発と規制承認プロセスにおける不確実性、臨床試験の初期データから臨床試験の最終結果を判断したり保証できないという事実、患者の参加が続いたり、より多くの患者データが発生することで、1つまたは複数の臨床成果が実質的に変化するリスクなどがある。実績が将来の見通しに関する記述に含まれる内容と大きく異なることになるその他のリスクについては、オービッドが証券取引委員会に提出した資料の「リスク要因 (Risk Factors)」キャプションに記載されている。こうしたリスクは、新型コロナウイルス (COVID-19) パンデミックや、オービッドが受けるビジネスおよび世界経済の影響によってさらに増幅される可能性がある。オービッドは、ここに記載されている将来の見通しに関する記述を更新し、期待した内容の変化や新たに公開された情報を反映する義務を負わないものとする。
オービッド・セラピューティクスの問い合わせ先
投資家および報道関係者:
オービッド・セラピューティクス (Ovid Therapeutics Inc.)
投資家関連および広報 (Investor Relations & Public Relations)
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投資家向けの問い合わせ先:
スティーブ・クラス (Steve Klass)
バーンズ・マクレラン (Burns McClellan, Inc.)
(212) 213-0006
報道関係者向けの問い合わせ先:
ケイティ・イングルマン (Katie Engleman)
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アンジェリーニ・ファーマの問い合わせ先:
ダニエラ・ポッジオ (Daniela Poggio)
アンジェリーニ・ファーマ・グローバル・コミュニケーション責任者 (Head of Global Communications Angelini Pharma)
アンジェリーニ・ホールディングの問い合わせ先:
アンジェリーニ・ホールディング機関および対外関係ディレクター (Institutional & External Relations Director Angelini Holding)